アフィリエイトの成功パターンは様々ですが、失敗するパターンはだいたい決まっている。
ということがアフィリエイトを2年くらいやってきてわかってきました。
その中でもよくあるパターンの一つに、
「それなり良い(はずの)キーワードで上がっていて、アクセスは結構あるけど売れない」
というのがあります。
ありますよね。
「何でこのワードで上がっていてこんなに売れないんだろう」
というやつ。
自分の訴求が悪いと思っていろいろ工夫したりするわけですが、やっぱり売れない。
このキーワードで上がっていて売れないならアフィリエイトってどうやって稼ぐんだよ!
月100万とか無理だろう!
って思うこと、ありますよね。
私もそう思っていましたが、いろんなジャンルのサイトを育ててきてここ最近結論付けました。
それ多分「売れないワード」なんですよね。
有料案件は成約から遠いワードでは売れない
有料というのは「ユーザーにとって」という意味です。
ユーザーが会員登録するのにお金が掛かるとか、初めは無料だけど2か月目からお金が掛かるとか、モノを購入する物販全般にも言えることです。
ユーザーに金銭的な負担が一切ない完全な無料案件、例えば「人材紹介」、「資料請求」、「一括見積」みたいなものは別ですが、ユーザーに金銭的な負担を与える有料案件のほとんどは成約から遠いワードではほとんど決まりません。
もうこれは多分ベテランアフィリエイターにとっては「何を当たり前のこと言ってんの?」レベルのことだと思います…(あくまで想像ですが)
有料案件は成約までの阻害要因が多い
ユーザーに金銭的な負担を持たせる有料案件は成約までに様々な阻害要因があります。
消費者の購入までのプロセスに「AIDMAの法則」という有名な法則があるわけですが、成約から遠いキーワードではAction(行動)までが長いです。
<AIDMAの法則>
認知段階 | Attention(注意) | 商品(サービス)の存在を知る。 |
感情段階 | Interest(興味、関心) | 興味、関心を持つ。 |
Desire(欲求) | 欲しいと思う。 | |
Memory(記憶) | 商品(サービス)を記憶する。 | |
行動段階 | Action(行動) | 買う。決める。 |
AIDMAの法則では、消費者(ユーザー)はまずその商品を知ることから始まります。
ここで興味を持たなければ次のステップに進みません。
また興味、関心を持っても、一片も「欲しい」と思ってもらわなければ次の「記憶」まで進むことが出来ません。
成約から遠いワードというのは最初の「Attention(注意)」に繋げるためのワードです。
簡単に言えばその商品、サービスの存在を知らない人が検索するワードです。
その商品、サービスを知らない人が調べるワードで集客した場合、「AIDMA」のすべての段階を踏んで成約に繋げなければいけません。
迷うことなく買いたいと思えるほど魅力的な商品であればそれでも十分売れますが、そうでないからアフィリエイト広告を出しているわけなので、アフィリエイト商材はその商品を知らない人にそれを教えてそのまま成約に繋げるのが難しいです。
ロングテールワードがダメという意味ではない
特に経験の浅い初心者アフィリエイターが勘違いしそうな部分ですが、
成約から遠い=ロングテール
成約から近い=ビッグワード
ではありません。
ロングテールというのは検索ボリュームが少ない(知名度の低い)ニッチなキーワードという意味で、ビッグワードは検索ボリュームが大きく知名度の高いワードのことを意味します。
検索ボリュームが少なくて誰も知らないニッチなワードでも成約に近いキーワードもありますし、逆に成約から遠いビッグワードもあります。
例えば海外旅行の案件を訴求する場合、「旅行」は月間検索ボリューム数十万単位のビッグワードですが、具体的な海外の地名の入った「台北 旅行」、「ホノルル 旅行」のようなワードの方が成約までの距離は近いです。
同様にダイエットサプリの場合でも「サプリメント」や「ダイエット」というビッグワードより、「脂肪 燃焼 サプリ」、「お腹 痩せる サプリ」のようなワードの方が成約までの距離が近く、成約率も高いでしょう。
決まりそうであまり決まらなかった事例
自分のサイトでの話ですが、成約から近そうで遠くてあまり決まらなかった事例を。
商材は格安SIMです。
格安SIMは格安と名がついていますが、月額料金が発生するサービスなので、ユーザーが慎重になりやすい、いわゆる「決まりにくい案件」です。
商品にもよりますが平均的な成約率(CVR)は良くて感覚的に3%あれば良い方かなというレベル。あくまで感覚的なものです。
スマホ代を安くするという訴求、集客をした結果
格安SIMの目的、ユーザーのニーズは「スマホ代を安くする」です。
ダイエット商材で例えるなら「痩せる」、キャッシングなら「お金を借りる」、自動車一括査定なら「車を高く売る」で集客しているイメージです。
一見なんの問題もないような、むしろ良い訴求のように見えます。
集まるユーザーは「スマホ代を安くしたい」人達です。
だけど、これだと中々決まりませんでした。
最も決まっている商材の成約率は2月で2.94%です。このジャンルは2月~4月が需要期なのでこれでもかなり良いほうです。ちなみに去年11月~12月だと1.13%程度。
2016年11月~12月の実績(某格安SIM)
表示回数:113,387
クリック数:3,443
クリック率:3.04%
成約数:39件
成約率:1.13%
「スマホ代を安くしたい」という訴求は一見良い訴求に見えますが、実は非常に決まりにくい訴求だったわけです。
というのも「スマホ代を安くしたい」というワードで調べるユーザーは案件(楽天モバイルやlineモバイル等)のことをほとんど知らない人達です。そもそも格安SIM自体知らない人もいるでしょう。
なのでAIDMAの法則で言えば「Attention(注意)」、認知から始まるわけです。
スマホを安くしたいと考えるユーザーが楽天モバイルの、
A:存在を知り、
I:興味を持って、
D:欲しいと思って、
M:記憶に留めておき、
A:成約する
という流れです。これは遠い。M(記憶)を除いたAIDA(アイダ)という考え方もありますが、その場合でもやっぱり遠い。
ツタヤ関連ワードでVODサービスを訴求した結果
もう一つ、ツタヤ関連ワードでVODサービス(U-NEXTやhulu等)を訴求してみたものも激しく失敗しています。
こちらは月間検索ボリューム数千のワードで1位表示されているため、2月のPVは12,000以上にも上りますが、成約は1件のみとなっています。
2017年2月の実績(VOD)
表示回数: 25,219
クリック数:20
クリック率:0.07%
成約数:1件
成約率:5%
VODサービスは無料登録で成約しますが、後に月額課金となり、申込時にクレジットカードの登録が必要なためユーザーにとってややハードルが高いです。完全無料案件のように気軽に登録が出来ないのです。
無料案件なら比較的決まる
登録から利用まで完全無料の案件であれば成約から遠いキーワード、AIDMAのAttention(注意)からでも割と決まります。
先ほどの例で行くと、完全無料のVODサービスなら確実にもっと決まっているはずです。
以前Twitterで公開したこともある転職に関するサイトは転職支援サービス(転職エージェント)をメイン案件としているわけですが、商標はもちろん転職支援、転職エージェント等のワードでの集客はほぼしていません。
流入してくるユーザーのほとんどが転職支援サービス、転職エージェントを登録する気もなければ存在さえ知らなかったという人ばかりのはずです。
が、それでも成約率は5%~10%以上を保っています。
無料で気軽に登録できるサービスであれば、そのページでその商品(サービス)を認知してそのまま申し込んでくれる可能性は比較的高いわけです。
成約から近い無料案件だと…
私は初めて取り掛かったジャンルの成約率が良くなかったので成約率に関してかなり悩んでいました。
なので実験的に無料案件(資料請求)で成約に近いワードで集客するサイトを作ってみました。こうすることで訴求するキーワードや商材が悪いのか、訴求方法(コンテンツ)が悪いのか判別出来ると思ったからです。
するとやはり成約率はかなり高いところまで持っていけました。
※画像は最も良かった月のものをあえて貼っています(一番上は合計)
ということはやはりキーワードと商材の問題だった。というのをやってみて確信することが出来ました。
決まらないのは決まりにくい案件を決まりにくいワードで集客していたわけですね。
補足
今回主に格安SIMを例に解説してきましたが、おそらく物販系でも同様に決まりにくいワードで集客すると悲惨なことになるんじゃないかと予想しています。
CVR1%以下とか。
かといって物販系が商標ワード(商品名、サービス名周りのキーワード)でしか取れないというわけではありません。
ただ、少なくともその商品が属するカテゴリ、コーラなら炭酸飲料、フルーツ青汁なら青汁のようなキーワードでなければ厳しいんじゃないかと思います。
また、深い悩みをドンピシャで解決するような訴求(育毛剤が効かなかった→クリニックみたいな)や、クエリでは出てきていないけどユーザーが想定、想像しているケース(美白やニキビ→スキンケア商品)等なら決まりやすいんじゃないかと思います。
こういう(商標周り以外で決まる)ワードを見つけるのはその分野の深い知識、経験が不可欠ですし、選定を間違えると徒労に終わるので、私はしばらくは物販系はやらないと思います。
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